経営判断で迷わないために絶対に押さえておくべき数値とは?

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小さな会社のシンプル経営

中小企業の約30%が黒字企業です。

当たり前ですが逆に約70%の会社が、利益が残らない赤字企業だということです。

起業して約70%の会社が5年以内に廃業するというデータもあることから、「利益を残すこと」「ビジネスを継続させること」は難しいことなのかもしれません。

しかし、会社の存続やあなた自身の幸せの源泉は、「利益」以外の何ものでもありません。

今回は、経営者であるあなたが、最低限、押さえておかなければならない企業の儲けのもととなる「粗利益」についてお伝えします。

そもそも会社の「儲け」とは何か?

儲かっている会社とは、どのような会社のことでしょうか?

売上が大きな会社でしょうか?

売上が大きいということは、お客さんも多く、商品やサービスがたくさん売れているといえるので、儲かっているといえそうです。

しかし、売上が大きくても赤字の会社は存在します。

残念ながら、いくら売上があっても赤字では儲かっているとは言えません。

それでは、最終的に利益が残っていれば儲かっていると言えるのでしょうか?

実は会社の成績を判断する上では、何種類もの利益が存在します。

決算書上でも利益は一つではなく、何種類もでてきます。

それぞれの利益の意味するところは違いますが、その中で一番もとになる利益が「粗利益」です。

粗利益とは、「その会社の扱っている製品・商品・サービスが、どれだけの利益をもたらしているか?」という基本的な利益です。

ですから、この「粗利益」が出ていないと、最終的に利益を残すことなど無理な話なのです。

簡単な粗利益の計算方法

粗利益は、売上から原価を引くことで計算できます。

「 粗利益 = 売上 - 原価 」(*粗利益は売上総利益ともいいます)

少し注意が必要なのは、「原価」のとらえ方が業種によって違うということです。

例えば、物を仕入れて売るような卸売業では、原価は「仕入原価」です。

自社で製造して販売する製造業では、原価は「製造原価」となります。

製造原価の場合は、材料費だけでなく、その製造過程にかかわる従業員の人件費なども原価に含まれます。

このように利益の中では、一番初めに出てくる粗い利益ということで「粗利益」と呼ばれています。

粗利益を使ってビジネスの生産性を判断する

「粗利益とは、その会社の扱っている製品・商品・サービスが、どれだけ利益をもたらしているか?」を表します。

しかし、単純に粗利益の額だけを見て儲かっているのか、そうでないのかを判断することは難しいです。

そこで「従業員1人当たりの粗利益」というものを計算してみると、あなたのビジネスが「効率的に儲かっているか」の生産性が分かるようになります。

1人当たり粗利益の計算方法

「 従業員1人当たりの粗利益 = 粗利益 ÷ 従業員数 」となります。

粗利益は、自社の決算書の損益計算書を見て、「売上総利益」の数値を使います。

次に従業員数は、社長と正社員は1人、パート・アルバイトは簡易的に0.5人で計算します。

小さな会社の簡単な事例で計算してみましょう。

例えば、年間の粗利益が6000万円で、社長と正社員が1人、アルバイトが2人の会社があるとします。

そうすると、6000万円 ÷ (2人+0.5人+0.5人) = 2000万円 です。

この会社の1人当たりの粗利益は、2000万円ということになります。

すなわち、ビジネスにおける生産性は、1人当たり2000万です。

1人当たりの粗利益額をいくらに設定するか

上場企業などの高収益の会社では、従業員1人当たりの粗利額は2000万円を超えると言われています。

逆に、中小企業では1000万円を下回る企業も多数あります。

よく「従業員は給料の3倍稼ぐべきだ」と言われることがありますが、それは給料の3倍の売上のことではなく、給料の3倍の粗利益を稼ぐ必要があるという意味です。

つまり上場企業の場合、従業員の平均年収が700万円であれば、従業員1人当たりの粗利益も2100万円ぐらいは必要だということです。

中小企業の場合、給料が低いから1人当たりの粗利益も低いという見方もできますし、一人当たりの粗利益が低いから給料を低く抑えざるを得ないという見方もできます。

どちらにしても、この「1人あたりの粗利益額」という数値をみることによって、効率の良いビジネスをしているかどうかが分かります。

しかし小さな会社は、大企業のように人事や経理・総務などの間接部門をかかえていないので、本来、1人あたりの粗利益額は、多くても良いのではないでしょうか?

ですから、私が推奨する粗利益額の基準は、1人あたり2000万円です。

もちろん、業種によっては2000万円という設定が厳しいということもあるでしょうから、あなたの業種にあった適切な金額を設定してください。

1人当たりの粗利益額の考え方

最終利益、あなた自身の報酬、従業員の給料、会社を成長させていくための原資は、すべて1人ひとりの粗利益から出ています。

だからこそ、経営者は1人あたりの粗利益額にこだわらなければならないのです。

例えば、ビジネスの拡大を考えるにあたり「社員やアルバイトを採用しようか」といった経営判断をしなければならない状況になったときにも、1人あたりの粗利益額から判断すれば、採用すべきかどうかの判断もできるようになります。

大切なことは、経営判断のための基準を作り、それを下回らないようすることです。

小さな会社では、このような判断基準を設けて経営をしているところは、ほとんどありません。

会社の存続やあなた自身の夢や目標達成のためにも、1人あたりの粗利益額をベースにした考え方を身につけましょう。

執筆者プロフィール

坂田 兼一

坂田 兼一

会計事務所勤務時から100社以上の財務分析、事業計画作成セミナーや資金繰りアドバイスなどを実施。しかしながら中小企業経営者が現実に直面している課題の多くは、資金繰りのこと以前に「販売不振」であることが原因であり、現在は集客や売上アップのサポートを主軸に置いている。八王子や多摩地区を中心に、小さな会社の経営者、個人事業主や店舗経営者を対象に、3ヶ月・3ステップで集客や売上の課題を改善させることを得意としている。

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