理想のお客さん像を決める意味

あなたの会社やお店では、こんな人にお客さんになって欲しいという「理想のお客さん像」を描いていますか?

マーケティングでは、お客さんを絞り込む方が良いということがよく言われます。

一般的にお客さんを絞り込むという場合、「30代前半の働く女性」のような決め方が多いです。

年代や性別でターゲットを絞っているわけです。

しかし、この決め方には大きな欠点があります。

価値観や考え方でお客さんを絞り込む

今回の例で言えば、同じ30代前半の女性でも生活している環境は様々だからです。

結婚を機に仕事を辞めようと思っている人もいれば、バリバリと仕事を中心に働いていこうという人もいます。

または、結婚していても子供が産まれたら辞めようと思っている人、既に子供がいてパートで働いている人などもいます。

このように違った環境にいる30代の働く女性全員の心に響くようなメッセージを伝えることは可能でしょうか?

かなり難しいはずです。

なぜかというと、同じ30代前半の働く女性でも価値観や考え方がそれぞれ違うからです。

そうであれば、お客さんを絞り込む場合には、初めからお客さんの価値観や考え方を軸にして絞り込む方が良いということが分かります。

ここで、あなたは少し不安に感じることがありませんか?

1人の人格に絞り込んで作ったメッセージやシステムが、本当に会社の経営的に大丈夫なのかと、、、

その心配は必要ありません。

なぜならば、1人の人物像に絞っているとはいえ、世の中には同じような価値観を持っている人はたくさんいるからです。

すなわち、あなたが誰か1人にだけ伝えているように感じていても、実は同じような価値観を持っている多くの人に響いているというわけです。

「ペルソナ」を作る意味

このように付き合うお客さんを明確にすることを、「ペルソナを作る」という言い方をします。

ペルソナとは、たった1人の理想的な架空のお客さんのプロフィールを作り込むという方法です。

本当に実在するお客さんのように、その人の日常生活の細部にもこだわり、その人の価値観や生活習慣などが想像できるくらいに人物像を固めていきます。

ペルソナは、価値観や考え方だけでなく、名前・住所・職業・趣味・家族構成・見た目など細かく考えて設定します。

そして、そのたった1人のお客さん像に向けて、システムやメッセージを作っていくということになります。

何か新しい商品やサービスを考える場合も、このペルソナに受け入れてもらえるかが判断基準となります。

実は、このペルソナに向けてのメッセージや意思決定の一貫性が、会社経営において非常に重要な役割を果たします。

意志決定に一貫性があると、お客さんに対するスタッフの言動や行動に統一性が出てきます。

そしてその統一性が、お客さんに安心感をもたらすという良い結果につながります。

お客さんがあなたの会社に持っている期待感と、あなたの会社から得られる結果(商品やサービス)がマッチしているというわけです。

ですから、理想のお客さん像を決めるということは、会社の仕組みをつくる上でとても大切なことなのです。

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